「はじめに」『チーム開発実践入門──共同作業を円滑に行うツール・メソッド』より転載
本書は「チーム開発実践入門」です。
読者のみなさんの中にはよくご存じの方も多いかとは思いますが、チーム開発というのは複雑で難しいものです。
2014年現在、チーム開発のための方法論やツールはさまざま存在しています。方法論的なものに目を向ければ、アジャイル開発、特にスクラム、XPといった方法論や、さらに具体的なTDD(Test Driven Development:テスト駆動開発)、BDD(Behavior Driven Development:振舞駆動開発)、TiDD(Ticket Driven Development:チケット駆動開発)などの設計開発の方法論、CI(Continuous Integration:継続的インテグレーション)、CD(ContinuousDelivery:継続的デリバリー)などのプラクティスがあります。これら方法論について解説した書籍や雑誌、Web上の記事は洋の東西を問わず大量にあり、何から手をつけてよいのかわからないほどです。
またこれらを技術的に支えるツールに目を向ければ、チケット管理システムやバージョン管理システム、自動テストや静的解析のツール、デプロイ自動化のツールなど、種類だけでも多種あり、それぞれを代表するツールを簡単に列挙するだけでもその種類と量の多さにめまいがするほどです。
数年前と比べてチーム開発は格段に便利になっています。ただし情報が多すぎかつ散逸していて、体系的に学ぶことも新人に効率的に教えることも難しい状況です。本書はそんな問題意識のもと、執筆を始めました。
そこで本書ではチーム開発に必要なツールを具体的な導入の仕方や使い方にフォーカスを当てて、俯瞰的に説明します。なぜそのツールを使うのか、なぜそのような使い方をするのかについて現場でよく起きる具体的な問題を例示しながら具体的に解説します。
ぜひ最後までお楽しみください。