本書はTailwind CSSというフレームワークの入門書です。しかしそれ以上に、本書は「ユーティリティファーストCSS」という考え方への入門書でもあります。
「ユーティリティファースト」とはTailwind CSSを特徴づける発想であり、マークアップをする際に「ユーティリティクラス」と呼ばれるクラス群のみを基本的に用いるアプローチを指します。本書を通じてTailwind CSSの実践的な使い方はもちろん、「ユーティリティファースト」という思想がスタイリングの分野でどういう意義を持ち、なぜ有益なのかについても理解ができるでしょう。
本書はHTMLやCSSそのものの基礎は扱いません。すでにCSSを使っており、CSSの設計で苦しみを味わってきた開発者に対し、Tailwind CSSの「ユーティリティファースト」というアプローチがその解決に(部分的にでも)なる可能性を提示します。解決しないという場合も、なぜ解決にならないのかがおそらく前より理解できることでしょう。
(「はじめに」より)
工藤智祥(くどうちあき)
1991年生まれ。名古屋大学大学院情報科学研究科を経て,2016年ピクシブ株式会社に新卒入社。フロントエンドを中心にWebエンジニアとしてクリエイター向けプラットフォームの開発に携わる。2020年よりピクシブ社内のデザインシステム「charcoal」の開発に関わり,Tailwind CSSを基盤技術の一つに選択。2022年にOSS化した。
著書(共著)に『入門GUI──Webブラウザで作る本格インタラクション』(インプレスR&D)がある。
X(旧Twitter):@f_subal