tanQブックスシリーズ日本人とナノエレクトロニクス
―世界をリードする半導体技術のすべて―
2009年11月17日紙版発売
吉田伸夫 著
四六判/208ページ
定価1,628円(本体1,480円+税10%)
ISBN 978-4-7741-4038-4
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書籍の概要
この本の概要
ナノテクノロジーの1ジャンルであるナノエレクトロニクス。微細化・高速化が進む半導体素子は,1956年に現在のソニーにいた江崎玲於奈が発明したトンネルダイオードがその歴史の走りでもあり,1973年のノーベル賞受賞につながった。しかし,日本が果たした役割はそれだけではない。ナノエレクトロニクスは日本人がその礎を築いたといっても良いほど,日本人研究者の業績が重要な位置を占めている。本書では,持ち前の洞察力で物理や科学史を斬る吉田伸夫氏が,彼らナノエレクトリニクスの日本人パイオニアたちに焦点を当て,その研究活動と理論を語る。
こんな方におすすめ
- 理系を目指す学生
- 半導体関連産業に携わる人
目次
はじめに 微細化の目指すところ
第1章 集積回路の時代
- 極小サイズのキャパシタ/集積回路の主役-MOSFET/キャパシタとトランジスタを組み合わせる/新しい物質の創造/ナノ世界の物理学-量子力学/日本人技術者の挑戦
第2章 電子を閉じ込める ~量子細線・量子ドットと榊裕之~
- 多分に空想的なアイデア/不純物に邪魔されて/特許にならなかったQWIP/企業による基礎研究の意義/電子を線に閉じ込める/さらに狭い領域へ/量子ドット研究の最前線
第3章 速さを求めて ~HEMTと三村高志~
- 変調ドープ超格子/唐突に生まれたモチベーション/ヤミ研究でHEMTを試作/競争に勝利できたワケは/新入社員がIC化を実現/世界に拡がるHEMT
第4章 美しい光を ~面発光レーザと伊賀健一~
- レーザ光はなぜ指向性が良いのか/半導体でレーザを作る/室温連続発振の実現/横のものを縦にする/最初の面発光レーザ/室温連続発振を目指して/商品化ではアメリカがリード
第5章 消えにくく消しやすく ~フラッシュメモリと舛岡富士雄~
- MOSFETをメモリとして使う/消去可能な不揮発性メモリ--FAMOS/もっと使いやすく--SAMOS/特許書類を書く学生/FLOTOXの明暗/ユーザの要望に応えるには/消去ゲートの導入/"erase in a flash"/さらに集積度を上げる/進化し続けるフラッシュメモリ
第6章 かすかな磁場を捉える ~スピントロニクスと前川禎通~
- 磁石としての電子/磁気センサの開発を目指して/トンネル磁気抵抗が測定される/巨大磁気抵抗の発見/再びトンネル磁気抵抗へ/MRAMの開発とアメリカの国家戦略
第7章 これからのナノエレクトロニクス
- 微細加工技術の高度--トップダウン方式/ナノ素材の合成-ボトムアップ方式/新素材の利用-ナノカーボン/ナノエレクトロニクスの将来と日本の役割/若い人に向けて
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