60分でわかる!シリーズ60分でわかる!
金利 超入門
2025年2月25日紙版発売
2025年2月25日電子版発売
バウンド 著,近廣昌志 監修
四六判/160ページ
定価1,430円(本体1,300円+税10%)
ISBN 978-4-297-14712-9
書籍の概要
この本の概要
2016年1月から続いた「マイナス金利」政策が昨年に解除され,2025年1月には政策金利は0.5%に引き上げられました。これから,定期預金や住宅ローンの金利は上昇します。金利や利子,利息という言葉は多くの人にとって身近なものではありますが,では実際に「金利が生活や経済にどのような影響を与えるか」を十分に理解している人は少ないのが現状です。特に,バブル崩壊後の「低金利時代」に慣れ親しんできた世代にとって,これからの金利上昇局面は未経験の領域です。この新しい環境下では,「借りる」「増やす」「貯める」といった場面で慎重な判断が求められます。
本書では,こうした状況に対応するために必要な「金利」に関する基礎知識を60分で身につけられます。経済に不案内な読者でも安心して読み進められるよう,難しい数式や専門用語は極力控えました。さらに,現在の経済環境や金利の動向も簡潔に解説し,「いま世の中で何が起きているか」をさっと把握できる構成にすることで,読者がライフプランや資産運用において正しい選択をできるようサポートします。
こんな方におすすめ
- 住宅ローンをはじめて組むなど,金利の動向にアンテナを張っている人
- 新NISAをきっかけに投資を始めて,経済のキホン知識から金融のニュースまで興味を持った人
- お金を増やしたい人,資産を守りたい人,リスクを理解して借金をしたい人
- 監修者プロフィール
近廣昌志(ちかひろまさし)
中央大学准教授
1978年広島県生まれ。中央大学商学部金融学科卒業。中央大学大学院商学研究科博士後期課程修了,博士(金融学)。
2012年愛媛大学法文学部講師,2017年同准教授を経て,2022年4月より中央大学経済学部准教授。
主な出版物に「管理通貨制と中央銀行」『現代金融論 新版』(川波洋一・上川孝夫/共編)有斐閣,2016年12月,第5章所収など。
この書籍に関連する記事があります!
- 17年ぶりの利上げで日本経済はどう動く?〜金利の基本から最新動向まで〜
- 日常生活でも耳にする「金利」というキーワードを,初心者の方にもわかりやすく解説した『60分でわかる︕ 金利 超入門』が2月25日に発売します。難しい数式や専門用語を使っていないから安心して読み進めることができ,生活や仕事に直結する実用的な知識を,たったの60分で身につけられます。
本書のサンプル
本書の一部ページを,PDFで確認することができます。
- サンプルPDFファイル(1,971KB)
本書の紙面イメージは次のとおりです。画像をクリックすることで拡大して確認することができます。
目次
Part1 超低金利時代の長いトンネルの出口が見えてきた!
理解しておきたい日本の金利の「今」
- 001 日本の金利水準の現状を把握しておこう
- 002 バブル崩壊前の日本の預金金利はこんなに高かった!
- 003 日本と世界の主要国の政策金利を比較してみよう
- 004 長期にわたって続いた日本の低金利はかなり特異な状況
- 005 じつは日本はデフレではなく,「ディスインフレーション」だった!
- 006 日本の低金利とデフレの原因は「経済成長の低さ」
- 007 日本は低金利時代から「金利のある時代」へ
- Column 古代メソポタミアからあった金利の話
Part2 あらためて金利について考えてみよう!
金利の基本の「き」を理解する
- 008 そもそも「金利」とは何なのか
- 009 社会のあちこちにあるさまざまな「金利」
- 010 「利子」と「利息」の違いとは?
- 011 「利率」と「利回り」の違いとは?
- 012 金利は「年利」表示が一般的
- 013 利子(利息)は「元本×年利×時間」で決まる
- 014 「実質金利」と「名目金利」を理解しないと損をする
- Column 金利を規制したローマ帝国の今に続く教訓
Part3 金利にはとてつもない力が秘められている
「単利」と「複利」の違いを理解する
- 015 当初の元本にのみ利子がつく「単利」
- 016 元本+利子に利子がつく「複利」
- 017 「複利×時間」の絶大な力を理解する
- 018 複利の力が簡単に実感できる「72の法則」
- 019 「将来価値」と「割引現在価値」の関係について考える
- Column 金利を批判した哲学者アリストテレス
Part4 金利の力を生かして「貯める」「借りる」「増やす」
日常生活で役に立つ「金利」の基礎知識
- 020 銀行の預金金利の決まり方
- 021 定期預金を続けるならどっち?「元金自動継続」と「元利自動継続」
- 022 住宅ローン金利の決まり方
- 023 「固定金利型」住宅ローンのメリット・デメリット
- 024 「変動金利型」住宅ローンのメリット・デメリット
- 025 2つの返済方法「元利均等返済」と「元金均等返済」の違いとは?
- 026 変動金利型から固定金利型への借り換えはそれほど簡単ではない
- 027 生命保険の「予定利率」って何だ?
- 028 貸金業から借り入れるときの金利の上限は「15~20%」
- 029 クレジットカードなどで目にする「実質年率」とは?
- 030 クレジットカードのリボ払いの怖ろしい「逆複利効果」
- 031 知らないとまずい消費者金融の「アドオン方式」とは?
- 032 税金を滞納すると,驚くほど高い利息がかかる!
- 033 「利回り」からリスク・リターンの基本的原則を考える
- 034 魅力的な高利回りは疑わないと痛い目に遭う
- Column ルネサンス期に復活した金利
Part5 金利が経済に与える影響を知らないと損をする!
複雑な「金利」と「経済」の関係をおおまかに理解する
- 035 「景気」と金利の関係を理解しておこう
- 036 「物価」と金利の関係を理解しておこう
- 037 「為替相場」と金利の関係を理解しておこう
- 038 「株価」と金利の関係を理解しておこう
- 039 低金利通貨でお金を調達する「キャリートレード」とは?
- 040 「高金利通貨」が長期的には安くなるわけ
- 041 金利はさまざまな要因が絡み合い理屈どおりには動かない
- Column 江戸時代の米本位制の金融システムとは?
Part6 金利がどう動いているかがわかれば,世の中の見え方が変わる
「金利」が決まる仕組みを理解する
- 042 金利は期間によって「短期金利」と「長期金利」に大別される
- 043 「無担保コールレート」は短期金利の主要指標
- 044 なぜ金融機関は「コール市場」で短期取引を行うのか?
- 045 長期金利の代表格が「10年物国債」の利回り
- 046 ひとくちに「国債」といっても,いろいろな種類がある
- 047 「債券価格」と金利の関係を理解しよう
- Column 利子を取らないイスラム金融の特徴とは?
Part7 物価の安定を図り経済の健全な発展を支える
金利コントロールの司令塔「中央銀行」の役割
- 048 中央銀行の役割とは何か?
- 049 金融政策の司令塔「日本銀行」の目的とその業務領域
- 050 知っておくべき世界の主な中央銀行
- 051 要注目! 年8回開かれる日銀の金融政策決定会合
- 052 日本銀行が実施する金融政策の手段とは?
- 053 「金融緩和」「金融引締」は,何を緩め,引き締めるのか
- 054 金利の上下で景気をコントロールする「政策金利操作」
- 055 国債などの売買で政策金利を誘導する「公開市場操作」
- 056 1991年から使われていない「預金準備率操作」とは?
- 057 バブル崩壊後の「金融調節」方針の変遷を見てみよう
- 058 日本銀行の「伝統的金融政策」と「非伝統的金融政策」
- Column 植民地時代の金利から現代の教訓を学ぶ
Part8 キーワードがわかれば,経済が深読みできる!
ニュースに出てくる「金利」にまつわる用語を理解しよう
- 059 経済ニュースで見かける「マネタリーベース」とは?
- 060 解除された「マイナス金利政策」はどんなことをしていたのか?
- 061 債券利回りを可視化する「イールドカーブ」とは?
- 062 「逆イールド」はなぜ景気後退のサイン?
- 063 「イールドカーブ・コントロール」って何だ?
- 064 「インフレターゲット」って何だ?
- 065 「金融正常化」へ道半ばの日本 何が正常ではないの?
- 066 「量的・質的金融緩和」っていったいどんなことをしたの?
- 067 トルコやアルゼンチン……超高金利国は,なぜ超高金利なの?
- 068 日銀が2024年12月に発表した「多角的レビュー」とは?
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